「アヌサラヨガ®」って? 2

前回挙げた3つのポイントは…

 
① 背景にタントラ哲学

② 独自の「アラインメントの普遍的原則」

③ ハートテーマのあるクラス

 
今回は,そのうちの①について。

前回,創始者のJohnは, Shiddha Yogaのグルマイ・チットヴィラーサーナンダに

学んだと書きましたが,彼女たちの伝統がまさにそれ。

 
yoga哲学にはいろいろなschool(「学派」といえばいいのかな…)がありますが,その一つ。

 
ちなみに,わたしは過去に海外で3回アヌサラティーチャーによる

ティーチャートレーニング(TT)に参加していますが,

そのすべてにおいて哲学講義を担当してくださったのがCarlos Pomeda先生。

 
彼も,グルマイのグル(先生)とグルマイに学んでいらした方です。

専門はもちろんタントラ哲学。

だから,世界中のアヌサラTTで引っ張りだこ。

学識,経験はもちろんですが,お人柄もすばらしく,わたしも信頼・敬愛して師事。

 
この年末年始から始めたワークショップ “All for Meditation”は,

特にCarlosからいただき続けている知恵をベースにしています。

 
*前回の感想は→こちら


夕焼けに浮かぶShiva像のシルエット。
でも,この神様は「象徴」に過ぎません。
この神様が自分の外に実在していると考えてるわけじゃありません。
そこがとっても大きなポイントなんです!

 
タントラ哲学とはどういうものかを簡潔に語るのはとっても難しいですが…

本当にポイントだけお伝えするべく微力ながら,努力してみます〜

 
そもそもタントラとは,「広がる 道具」という意味なんですって。

紀元6世紀頃から始まり,特に現カシミール地方周辺などを中心に,9世紀頃には成熟期を迎えたといわれます。

 
タントラ哲学で最も特徴的なのは,そして,最も革命的だったのは,非二元論的立場をとっていること。

純/不純,正/誤,善/悪…というような二元論で物事を捉えません。

だからこそ,このタントラからさまざまなyogaが生まれ,広がったそうです。

 
ハタヨガ,クンダリーニヨガ,ナーダヨガ,ラーヤヨガ,マントラヨガ…

 
また,たとえば女性=不純のような捉え方をせず,女性の価値を認めた点も

それまでのyogaとは大きく異なっていました。

 
さらに,世俗/出家とか,身体/意識という単純な二項対立で考えません。

だから,俗世を生きながら悟りに至る道があることを示しました。

 
だから,身体を不純なものと捉えず,身体があるからこそ意識の自由へと至ることができることを示します。

身体を持つ存在として物質的な世界を喜びをもって生きながら,

同時に,むしろそれを利用して至福に満ちた意識の自由へと向かう。

二項対立を超えて,「広がっていくための手段」それがタントラです。

 
だから,practical(実践的)なのだとCarlosは言います。

わたしもそう思います。

実際,この哲学のおかげで,わたしは本当に生きやすくなりましたから。

 
はっきり言っちゃえば,別に,アーサナ(ポーズ)なんかしなくてもいいんですよ(笑)

(実際,Carlosがアーサナをしているのをわたしは見たことないし。彼は瞑想者ですから。)

 
この哲学を持って日常を生きる。

それを常に実践・応用し続ける。

それだけで十分yogaのpracticeですから。

っていうか,それこそがyogaのpracticeの核心ですから。

 
前にも書きましたが,わたしは正直 on the matよりもoff the mat の practiceに興味があります。

それはまさにこういうことなんです。

率直に言って,背景にタントラがあるから,わたしは今日もアヌサラをやってるんです!

(あ,でも,ちゃんとアーサナもやってるんですよ,一応,ほんとに(笑)
そして,それはどういうことなのかは,次回をお読みいただければわかります。)

 
このまま行くとキリがなくなるからそろそろ終わりにしようと思いますが(笑)…あと少しだけ補足を。

 
タントラは,ヒンドゥーでも,仏教でも,ジャイナでも発展しました。

このうち,アヌサラヨガ®で背景としているのは,ヒンドゥータントラのShiva信仰。

でも,写真のキャプションでも書きましたけど,”Shiva”って言ったときに,

青首のShiva神が外在しているとか,それにすがるとか,そんなんじゃないんですよ!

ここ,すごい重要なところです!!

 
神様の姿は,目には見えないものを理解しやすくするための「象徴」として発展し,

使われてきたものに過ぎないんです。

 
タントラでは,すべては「至高の存在/意識」と見ます。

みなさんも,わたしも,すべて,です。

一人一人,その凝縮されたミニチュア版。

だから「広がればいい」んです。

 
“Shiva” とは「存在」そのもの。

“Shakti” =「意識」。

この両方ともが必要です。

究極的には,この二つは同じもの。

この二つが,「至高の存在/意識」の二つの側面。

そこへ,ココロもアタマもカラダも使って立ち戻って行こうとする。

 
それが,アヌサラヨガ®のスタンスです。

 
 
・・・むっむっむっ よーわからん・・・て?(笑)

それでいいじゃないですか!!

わかんないから学ぶんですから。

でもさ,なんかおもしろそうじゃないですか!?

なんか美しくないですか!

そこからでいいと思うんです。

だから,わたしも学び続けています。

ま,なんとなーく興味が湧いてきたら,ぜひ入り口としてわたしのクラスやWSへいらしてみてください^^

ご一緒にpracticeできるのを楽しみにお待ちしております!