受け取る器(nida’s newsletter- no.19-より)

*こちらの記事は 2017.05.26配信の,nida’s newsletter~ living in the moment ~- no. -より抜粋して引用したものを以下に掲載しています。


もう何年も前のことですが,谷川俊太郎さんの呼吸の先生,加藤敏朗さんの呼吸の教室に行ったことがあります。

(二人の共著『呼吸の本』(サンガ,2010)お勧めです)


加藤さんはその時,こう問われました。

「”こきゅう”という字はどう書くか?」

「呼吸」ですよね。

つまり,「吐くのが先,吸うのが後。これが呼吸の順番。」と。

そして,「でも,今の日本の人たちはこの”呼吸”ができていない。」と。


なぜなら,

「”吐く”ということは”手離す”ということ,”吸う”ということは”得る”こと。

今の日本の人たちは,あれも欲しいこれも欲しいと,“得よう得よう”と必死になるばかり。


つまり,”吸う”ことばかり。

その前に”吐く”こと,

つまり自分の中にある要らないもの,不安や緊張を”手離す”ことがちゃんとできていない」と。

気がつくと家の中にものが溢れていたり,考え事で苦しくなったり息が詰まったり…


一般的に言って,加藤さんのおっしゃる通り,

わたしたちは”手離す”ことが苦手な傾向があるんじゃないか

と思うのですが,

あなたはどうですか?


…と,まあ,実はここまでは以前からお話ししてきたことでして。

最近ね,そのアップデートがあるんです。


それは,私たちは”手離す”ことだけでなく,入ってきたものを”受け取る”ということも苦手なのではないか,ということ。


たとえばあなたが誰かに

「あなたは本当に素晴らしい!!」などと褒められたとき,

どんな反応をしますか?

「ありがとうございます」とはもちろん言うのでしょうけれど,

その前後に,

「いえいえとんでもないです!」とか,

「私なんてそんな!まだまだです!」

などというように答える人,多いのでは??

褒め言葉に限らず,何かとんでもなくすばらしい奇跡だったり,大金だったり…


そういうものって,本当は欲しくて欲しくてたまらないのに,

いざやってくると

「自分はそれを受け取るのにふさわしくない」とか

「こんなことが自分に起こるわけない」とか

「相手が自分をからかっているのではないか?
本当はそんなこと思っていないんじゃないか?」とか…

実はそんなふうに素直に”受け取れ”なかったりしませんか?


わたしたちは,こんなふうに,本当は”受け取る”ことも下手なんじゃないか?と,改めてふと気づいたのです。

本当は欲しくてたまらないのに,いざやってきたら素直に”受け取れ”ない…

一体何をやってるんでしょう?!(笑)

だったら,わたしたちはいつになったら十分に”受け取る”ことができるというのでしょうか??


そう,言い換えてみれば,“受け取る”には「器」が必要なんです。

広い「器」持っていないと,どんなにすばらしいものがやって来ても,私たちは”受け取り”切れない…

ちなみに,これは逆の事についてもいえると思います。


つまり,自分にとって「悪い」「嫌な」と思える事が起きた時も,わたしたちはちゃんと”受け取れ”なかったりします。

「こんなに悪いことが自分に起きるわけがない」とか

「こんな苦しみには耐えられない」とか…


意識的/無意識的に,現実をちゃんと”受け取り”きれなくて,心身に不調和があらわれる場合もあります。


すごくいいこともすごく悪いことも,
わたしたちはけっこう素直に”受け取れ”ていないんですよね,実は。

自分が考える以上のことを”受け取る”のが苦手なんです。

真にそのままを,素直に“受け取る”には,それだけ広い「器」が必要ということです。


では,”受け取る”「器」を広げるにはどうすればいいのでしょうか?

もっと自信を持てればいいんでしょうか?


…わたし自身はそうは思いません。

そのための鍵はヨガの示す通りなんだと思います。


つまり,わたし自身が「何か大いなるもの」のあらわれであることを信じること。

「わたしは本質的にすばらしいものである」ということを「確信する」こと。


これは「自信を持つ」こととは違います。

ただ,「わかる」こと。

あるいは,もし「自信」という観点で話すのなら,そういう「根拠のない自信」があればいいということ(笑)


ヨガを通じて”受け取る”「器」が広げましょう。

あなたはもっと”受け取って”いいんです。

わたしももっと”受け取って”いいんです。

ただ素直に,いいことも悪いことも「ありがとう」って。

だって,すべては,わたしたち自身と同じ源,「何か大いなるもの」なのですから。

ただわたしたちにふさわしいものがやってくるだけなのですから。

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こちらの記事は毎週金曜配信のnida’s newsletter ~ living in the moment ~より一部抜粋です。
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