「現在」を生きる(nida’s newsletter- no.68-より)

*こちらの記事は 2018.05.04配信の,nida’s newsletter~ living in the moment ~- no.68-より抜粋して引用したものを以下に掲載しています。


唐突ですが,質問です。

「あなたは今,どこにいますか? 何をしていますか?」


バカげた質問に聞こえますよね(笑)


これ,クラス中にナマで問いかけられているときならね,

「?? いやいや,あなたの話聞いてるんでしょ!このスタジオで,座って。」

って感じですよね~(笑)


でもね,さらに突っ込むと,「本当ですか?」


わたしの話を聞きながら,

今日会社や家庭であったことを思い出したり,

クラスの後に食べるごはんのことを考えたりしていません?(笑)


あ,いいんですよ,それ,全然!


ただ,ポイントは,

もしそうだとしたらね,

それは「今ここ」にいるように見えて,

本当は「過去」や「未来」にいるってことにはなりません?? ってこと。


最近ね,久しぶりにアルボムッレ・スマナサーラ著『「日々是好日」経』(サンガ)を開きまして。


著者は,スリランカ上座部仏教の長老です。


わたし自身には,仏教はもちろん特定の宗教はありませんけどね,

この長老の本はとてもおもしろいですよ。そして,まーズバズバ言う(笑)


この中でね,長老はこう問うているんです。

あなたもぜひやってみてください。



*****以下引用(p.18-19)

一時間ほどの時間について考えてみましょう。

みなさんの人生にある「一時間という時間」です。

例えば,九時から十時までとか,どんな一時間でも結構です。

布団に入ってから寝付くまでの一時間でもいいでしょう。


どれくらいの時間を「過去のこと」を考えるために使っていますか?


一時間の間で,私たちはいろいろなことを考えています。いろいろなことをしています。

その時間の中で,どれくらいの時間を,心が過去に行っているのかをチェックしてください。

過去のことを考えたり,思い出したりするために使っている時間です。

チェックするのは結構難しいと思います。

どのくらいの時間,過去に頭が逃げてしまっているでしょうか?


また,どのくらいの時間を「未来のこと」を考えるために使っていますか?


その一時間で,将来のことを心配したりして,頭が回転してしまう時間は,どれぐらいでしょうか?

どのくらいの時間,未来に頭が逃げてしまっているでしょうか?


では,「現在」のために使用するのは何分,何秒でしょうか?


「その一時間において,あなたは何分,『今』の頃を考えたか」という調査です。

*****




…どうでしたか?

どんな気づきがありましたか?


では,さらに続きを引用しますね。


****以下引用(p.19-20)

調べてみると,実際は「何分」どころか「何秒」しかないはずです。

みなさんは布団に入ると,「さあ,寝るぞ」と思うぐらいでしょう。

「枕はどんな触り心地か」「シーツはどんな匂いをしているか」「布団はどんな感触か」

というようなことは,ぜんぜん感じたこともないでしょう。


つまり,現在のことは何も知らないのです。


「今日はこうだった,ああだった」「明日あれをやります,これをやります」など,

寝付くまでそればかりです。

布団に入ったら,現在のために二,三秒も使っていないのです。


ですから,寝ていても脳はゴチャゴチャと動いて,休めなくなってしまうのです。

身体の疲れも取れなくなってしまう。

布団に入るときのことを思い出すと明確でしょう。

寝付くまでの一時間のうち,我々は一,二秒も現在に使っていないのです。


*****


…はい,確かに…と,グッサリくる方が多いじゃないでしょうか…


改めて考えてみるとね,長老のおっしゃる通りだと思うのです。

「過去」と「未来」ばかりにわたしたちは生きている,と。


それと,もう一つ大きな思考対象がある,と長老は続けます。


「さらに私たちは,「妄想」にもかなり多くの時間を使っています」(p.21)と。


「妄想は,過去にも未来にも関係がありません。ただ妄想するのです。

「あの人は私のことが嫌いだ」「あの人は私のことが気になっている。私のことが好きみたいだ」

とか,あれこれどうでもいいことを妄想するのです」(p.21)と。


さらに続けて,長老はこうズバッと断言します。


「世界にある一切の精神病の原因は,まとめて,たった一つ。「妄想」です。」(p.21)


そして,さらに続けてズバババッと斬ります(笑)


「驚くことに「現在」という時間はほとんどありません。これが問題です。大問題です。

私たちは,「今,何をするのか?」ということには全く無関心でいて,

今は最悪,大失敗をして生きているのです。

それでは「過去」も「未来」もぜんぶパーになってしまうでしょう。」(p.18)


仏教やヨガの瞑想,実践を通じてわたしたちが練習するのは,

まさに,この「現在」を生きること,です。


そして,そこに,つまり「今この瞬間ここ」に

わたしたちの奥深く,わたしたちの本質に気づく道が拓けます。


わたしたちは,ポーズの中でこの「現在」を生きることを練習します。


でも,まあ,マットの上では比較的簡単なんですよね。


そう,本当の練習の場はその外…あなたの日常生活の中です。


「現在」を生きること,

お互いにpracticeを積んで行きましょう。


*今回の問い「あなたは今,どこにいますか? 何をしていますか?」は,

all-in-oneヨガWSシリーズ「〈わたし〉をめぐる旅」の第3弾のテーマです。

タイトルは「3:What am I doing?~わたしを〈俯瞰〉する旅」。

今回のクラステーマはそのWSの中で扱った最初のほんの触りの一部から。


ヨガがあなたの人生,日常に直結してくる大きなきっかけとなるWSです。

ぜひご活用いただき,ますます自由と歓びに満ちた人生を拓いて行っていただけたら幸いです。

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こちらの記事は毎週金曜配信のnida’s newsletter ~ living in the moment ~より一部抜粋です。
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